病人と怪我人

2004年4月3日
今日は4月スタートの仕事が2つ

午前
練りに練ったセッションを90分

集中しきった

午後
これもまた練ったセッション・・
しかし、自分には慣れた部分ははしょりすぎた

参加者にはやや、集中力を要しただろう
次は提供する量を差し引くくらいじゃないと疲れるな


今夜会う予定の友人片方から
「交通事故」とのメール
骨折なし
左足、腰、頭、顔、主に左半身の打撲
CT異常なし
事故後の手続きは終えている

もう片方の金沢発の彼女は風邪で喘息が出てる

落ち合う場所を変更
「交通事故」嬢の自宅そばへ

こちらは、いかんともしがたし
定時では終われない
後から合流

怪我人と病人は、待ち時間中さきにデザートを済ませ

これから「しゃぶしゃぶだ」と言う
「肉屋」には自分からは行くことのない私には新鮮

しかも食べ放題
簡単な果物とデザートが添えられたサラダバーは
キッチュだけれど嬉しい

これは胡麻だれ、これは柚子ポンと二人に教えられながら
ものめずらしげに胡麻をする

病人と怪我人が、ぽんぽんしゃべりながら
どんどん皿を片付けていく
感心しながら、どこのテーブルからなのか、
おにぎりだか餅でも焼いているかのような香ばしい匂いに気をとられる

判明。すき焼きの葱を焼く匂い

小さな遊園地に来たような気分

ソフトクリームの食べ放題にも突入するのだと言っていた病人は
その分は別腹もなくなったらしい

終電に危うい時間に店を出る
案の定都営の終電を逃す

病人を急かし、JRに挑むがこれも逃してタクシーへ

肉屋とは打って変わり
静かに動く
相手の呼吸を見ながら

この病人は、ちょっとやそっとの苦しさじゃ何か言ってくることはしない人だ

家に着き、すぐさま布団を用意するが、
数ヶ月間、仕事や人間関係中心のメールのやりとりのみで、
身体感覚を欠いていたコミュニケーションが急に流れ始める

話したいことが、聞きたいことが、言いたいことが、
お互いの間で、意図でではなく、動き、交差し、流れ始める

数時間前の堅かった病人の表情から緊張が抜け落ち
感情が泳ぎだしている

「笑い」に力のある人だ
ほんとうに楽しそうに笑う

はっきりした強い笑いだけでなく、以前よりもその間の柔らかい笑顔が増えたな、と思う。

そういう「中間」を得る仕事を重ねてきているんだなと思う。

私は、自分のことを殆ど話してきていない分
質問攻めに遭う

身体感覚を辿って応える言葉の感触を
彼女が中間の笑顔で聴きとっている

私が伝える感触を、どうもこの人が楽しんでいるらしい
ということがおもしろい
そうして、外から光が射さない時間も、もう殆どないだろうという頃
病人に眠ろうと言う
4時間後には彼女はここを出なければならない

金沢からも夜行バスで殆ど眠れていないくせに
「何か元気になった」と嬉しそうに病人が言う

自分も、そういう彼女を何とか迎えられる状態にしておけたことが
うれしい

こうやって創っていけるものがあり
もらえるものがあるというのは、しあわせ


長い一日

長い一週間


なげー日遅れ日記

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