石川町 連休
2004年5月2日言葉と感覚が届き難くなるほど消耗していると
スイッチがさび固まってしまったように
ガッコンとoffにするのに返って力が要る
ここのところ手の届かなかった雑用を諦めきれず
かといって動きもとろい
えっちらおっちらしているうちに
明日必要な書類が見当たらないことに気付く
ひよ〜〜〜っ
ぱたぱたぱたぱたぱたぱた
たった二間の部屋を五度は行き交い
ほえほえほえほえほえほえ
諦めかかった頃見つかる
一眠りし、体が泥様、二眠りし
午前中の用事は一つ諦め
本を読み 読み終え
本を読み
途中で突然野菜を刻み
保存食の切干を煮る
やってることに殆ど脈絡がない
くくく、今日の味付け、いい、いい
さて出かけよう
フィリピンから先月帰った仕事仲間でもある友人に会いに行く
仕事の件もある
連休中の桜木町〜石川町には近づきたくはないと散々駄々をこね、
相鉄沿線、横浜線沿線の店をピックアップし
対抗したが、昨年散々東京に出てきてもらっていた手前
ギブアップ
石川町で観念
別に石川町が悪いわけでも
観光客が悪いわけでもない
今日の自分の状態がそこにそぐわないというだけ
だけれども、街と人とに内心で悪態をつく
予想以上の人出
目当てのさびれ切った(はずの)店も今日は満席
どこの店も、外まで人が溢れている
時間的にもピーク
メインの通りに少し入った辺りでギブアップ
一本脇へ入って昔よく行った骨董屋を探してみる
2階が静かなカフェだった
・・かなり様相が変わっている
客層が変わったということか
品揃えもかなり変わった
それでも、目を引く小品がいくつかある
物に出会うのもエネルギーが要る
今日はやめておく
殆ど逃げ込むように
人ごみの中ですっかり無視されている、本当に営業しているのかも怪しげな喫茶店に入る
大きな観光スポットの斜めにしてなお客は誰一人いない
店主らしき女性が客席でPCと灰皿を使っている
店中の席が真っ赤なソファという
入るのにいくらかの決心を要する外から見た異様な眺めと
店の中のその赤いソファに座って見た景色は、決して予想はできない違いだ
店の奥の角から見る景色は
驚くほど、綺麗なのだ
古い床屋のような白い木枠と縦長の、外からよりも大きく見える硝子ごしに、ひしめき合う観光客達が、夜の中をすぐそこで
淀みのある多方向の流れを作り
あちらでカメラが光り
こちらで車が進めずにいる
そのすぐ角のこの店の中の怪しい店内と、硝子越しの景色は
映画のワンシーンのように、ほのかに暗いピンク色の中に全てがある
防音室に入ったかのように静かで、しかも広くはない5,6テーブルの空間はまるで、窓をスクリーンにした貸し切り映画館のように特別なものになった
店内の、古びた小物の雑然とした汚いとも言える様子
中国の獅子の大きな頭
窓辺の大きな鳥かご
鳥が鳴いた
短く「Hoh!」
しばらくして「Hoh!」
女主人の席の足元にスーパーの買い物カゴがあり
そのなかでカラスが鳴いていた
怪我をした足のせいで片方に傾きながら
鳥かごの鳥はおもちゃだった。
突然、「ロッカー室」と書かれた部屋から二十歳になるかならないかの男女が音も無く出てくる
カウンターの向こうにいた女店主とその娘とボーイフレンドらしい3人は立ったまま、10分も20分も私たちの邪魔にならない声で
他愛ない日常を話し続けている
客を意識して、客のために声を落としているという様子は全く無い
いつもどおりに話しているという風情
その間合いと空気は穏やかで
これほどこの場に違和感が無いことが不思議
友人が落としたピンバッジの留め金を
「わたし、光るもの探すの得意なのよ」と
女主人が、ゆっくりやってくる
彼女が動かしたソファの下からそれが見つかり
友人は喜ぶ
結局、第一候補の店はいっぱいで
先の喫茶店のすぐ横に
すし屋崩れ?なのか、店内装飾はすし屋風の名残のあるカウンター数席のみの店で
「まきあげ」と「水餃子」「ふかひれスープ」「三鮮おかゆ」
ここの女主人も
何気なくかける声に気丈なやさしさが伝わる
「暖かい」という程の温度がない
そっけない心遣いが心地よい
人が道を埋め尽くす観光スポットのすぐ脇で
こんな静かさに会うとは思わなかった
わたしは、大袈裟に言うが
救われた
スイッチがさび固まってしまったように
ガッコンとoffにするのに返って力が要る
ここのところ手の届かなかった雑用を諦めきれず
かといって動きもとろい
えっちらおっちらしているうちに
明日必要な書類が見当たらないことに気付く
ひよ〜〜〜っ
ぱたぱたぱたぱたぱたぱた
たった二間の部屋を五度は行き交い
ほえほえほえほえほえほえ
諦めかかった頃見つかる
一眠りし、体が泥様、二眠りし
午前中の用事は一つ諦め
本を読み 読み終え
本を読み
途中で突然野菜を刻み
保存食の切干を煮る
やってることに殆ど脈絡がない
くくく、今日の味付け、いい、いい
さて出かけよう
フィリピンから先月帰った仕事仲間でもある友人に会いに行く
仕事の件もある
連休中の桜木町〜石川町には近づきたくはないと散々駄々をこね、
相鉄沿線、横浜線沿線の店をピックアップし
対抗したが、昨年散々東京に出てきてもらっていた手前
ギブアップ
石川町で観念
別に石川町が悪いわけでも
観光客が悪いわけでもない
今日の自分の状態がそこにそぐわないというだけ
だけれども、街と人とに内心で悪態をつく
予想以上の人出
目当てのさびれ切った(はずの)店も今日は満席
どこの店も、外まで人が溢れている
時間的にもピーク
メインの通りに少し入った辺りでギブアップ
一本脇へ入って昔よく行った骨董屋を探してみる
2階が静かなカフェだった
・・かなり様相が変わっている
客層が変わったということか
品揃えもかなり変わった
それでも、目を引く小品がいくつかある
物に出会うのもエネルギーが要る
今日はやめておく
殆ど逃げ込むように
人ごみの中ですっかり無視されている、本当に営業しているのかも怪しげな喫茶店に入る
大きな観光スポットの斜めにしてなお客は誰一人いない
店主らしき女性が客席でPCと灰皿を使っている
店中の席が真っ赤なソファという
入るのにいくらかの決心を要する外から見た異様な眺めと
店の中のその赤いソファに座って見た景色は、決して予想はできない違いだ
店の奥の角から見る景色は
驚くほど、綺麗なのだ
古い床屋のような白い木枠と縦長の、外からよりも大きく見える硝子ごしに、ひしめき合う観光客達が、夜の中をすぐそこで
淀みのある多方向の流れを作り
あちらでカメラが光り
こちらで車が進めずにいる
そのすぐ角のこの店の中の怪しい店内と、硝子越しの景色は
映画のワンシーンのように、ほのかに暗いピンク色の中に全てがある
防音室に入ったかのように静かで、しかも広くはない5,6テーブルの空間はまるで、窓をスクリーンにした貸し切り映画館のように特別なものになった
店内の、古びた小物の雑然とした汚いとも言える様子
中国の獅子の大きな頭
窓辺の大きな鳥かご
鳥が鳴いた
短く「Hoh!」
しばらくして「Hoh!」
女主人の席の足元にスーパーの買い物カゴがあり
そのなかでカラスが鳴いていた
怪我をした足のせいで片方に傾きながら
鳥かごの鳥はおもちゃだった。
突然、「ロッカー室」と書かれた部屋から二十歳になるかならないかの男女が音も無く出てくる
カウンターの向こうにいた女店主とその娘とボーイフレンドらしい3人は立ったまま、10分も20分も私たちの邪魔にならない声で
他愛ない日常を話し続けている
客を意識して、客のために声を落としているという様子は全く無い
いつもどおりに話しているという風情
その間合いと空気は穏やかで
これほどこの場に違和感が無いことが不思議
友人が落としたピンバッジの留め金を
「わたし、光るもの探すの得意なのよ」と
女主人が、ゆっくりやってくる
彼女が動かしたソファの下からそれが見つかり
友人は喜ぶ
結局、第一候補の店はいっぱいで
先の喫茶店のすぐ横に
すし屋崩れ?なのか、店内装飾はすし屋風の名残のあるカウンター数席のみの店で
「まきあげ」と「水餃子」「ふかひれスープ」「三鮮おかゆ」
ここの女主人も
何気なくかける声に気丈なやさしさが伝わる
「暖かい」という程の温度がない
そっけない心遣いが心地よい
人が道を埋め尽くす観光スポットのすぐ脇で
こんな静かさに会うとは思わなかった
わたしは、大袈裟に言うが
救われた
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