これだけかかる

昨日、家の近くで同業の先輩と会い、勉強会という名の情報交換をした。
この人は別名「かもい君」と、本人の知らないところで呼ばれている。
由来は、サメおとこで、止まると死んでしまうという刷り込みでもあるのか、ひたすら動き続けている、超×3くらいのパーフェクショニストだから。「自分に分からんこと、できないことがある」というのが許せないらしく、「体の緊張をほぐせないっ！くやしいっ！」と身体をリラックスさせようと、やおら鴨居をつかんで半懸垂をはじめてしまったことがあるため。
世の中にはひたすら努力をする以外の方法でも何とかなることがあるということは経験したことがないらしい。（と本人の前で言おうものなら、きっとまた懸垂を始めてしまうだろう）

その完璧さぶりは、現代日本の青年として、社会的には非の打ち所がないように見える。破天荒な年配者に気に入られる性質。同年代、後輩、子どもにはよく恐がられ、本人的にはやや不満らしい。
野村萬歳さんや、松岡修造さんと同じような目つきをしている、というと分かりやすいかもしれない。

まっすぐなだけと言えばそうなのだが、その目は凡人には、厳しいものもある。怒りまくっているときには、近づきたくはない。あまりにも正しすぎる。

野村、松岡両氏の「ただ眺めファン」である私にも、魅力的ではあるが、日常側にいるには高温すぎ。

先月会った時には、忙しすぎたせいか、鬼のような気配で現れ、こちらもしゃべる前に息をするのが先、といった空気だった。

昨日は、他愛ない話で双方笑いころげた。

なかなか人に弱みを見せられない人なんだろう、と了解。

たまに、弱みを見せに来る、ような気がする。

本当は、上手に休みたいんだろうと見える。


人のことばかり、了解していてどうする。

そんなに人を簡単に分かってはいけない。

今日、週明けの職場が腹の立つほど忙しかったので、参ったんだ。

人によっかかりたい、と誘惑があると思う、なんていう都合のよさで、誰かに会いたいなんて、思うのは許しても、そうはしない。

てとこが、堅物か。

そういうことをするのは、もう少し、力をつけて、柔軟に動けるようになってからがいい。

そう思っている。

あまり怒りを貯めると、毒素になるぞ。

丁度、今日、職場の非常勤の女性が、一時間怒っている人が吐いた息を集めると、そこから固形物が採れて、それを水に溶かしてマウスに注射すると、マウスが死んでしまうのだという恐ろしい研究の話をしていた。
ちなみに、人一人を殺すには、8人の人が1時間怒って吐いた息を集めれば足りるらしい。

やりたいのは、幸せや喜びの息を集めて、幸せ薬を作ることだというその研究者の心身が健康でなにより。

ややこしく、素直じゃない。

ちょっと、泣きたい気分だってことを言うのに、これだけかかった。