5,6日と、3月に前半3日間をとっていた絵を描くワークショップの後半戦
5日は朝から夕方にかけて他の参加者の横顔を描いた
人を描くのは10代の頃、何年もしていたことなので、そう苦ではなく楽しめた
モデルになってくれた薬師丸ひろ子似のシャイな20代女性も、「目がおっきいね」と少しずつ彼女の「さま」をフィードバックしながら描いていくと、頬を赤らめながら見られることを嬉しさに変え始めた
彼女自身も他の人を見ながら描くことに熱中して、その面白さにどんどんはまっていく様子が、横顔の変化になって伝わってきた
瞳はどんどんモデルにひきつけられ、楽しそうに少し開いていた唇が、描くプロセスが進むにしたがって、キュッと結ばれてくる
ぽわんとしたかわいらしさが、少し締まった少年風になっていく
そういう人の変化を見られるのは楽しい
6日
自分の顔を描くのは、人の顔を描くほど簡単ではなかった
自分の顔の方が楽に描けるという人もいるらしいが、私は予想以上に難航
前日と違って部屋は暗幕をつけ、灯りを落とし、それぞれ仕切りの中で小さなライトを顔の片側からあて、顔の陰影を引き出して描いていく
薄暗いところで細かい作業をするのはもともと苦手で、集中しきれず少し苛立ちもする
教えてくれているKristinやMarion、Andyは、途中経過を見てくれていて「Beautiful!」とコメントあるも、ぜんぜん納得いかない
行き詰る
目の位置と形がどうしても正確に取りきれない
だんだん鏡の中の自分の表情も疲れ、硬くなる
Kristinが昨日描いた女の子の横顔を見せ「髪の方を先に描いたら?楽しいかも」
コントラストを強く出せるようにと、濃い目のグラウンドに挑戦したからやりにくいのかな、と言うと「目だけ仕上げて、薄いグラウンドでもう一枚描き直してもいい。自分の描きやすい方法で描くのがいい。」と言ってくれる
迷うが、今の低エネルギー状態でそこまでの集中力は残っていないと思い、そのまま続ける
Kristinが前日の絵を見せてくれてよかったのは
「ああ、あの子を見ていた時みたいに、愛でながら鏡の中の自分を見て、描いていけばいいのか」
そういうシフトが起こったから
鏡の中の自分の表情が変わっていった
3月の最後の日に描いた「部屋の一角」の絵を描く過程が、大きく後悔の種だった
欲張りすぎていたから
頭の中の構想と、かけられるエネルギー+時間制限のバランスが取れず、集中しきれない範囲まで手を出してしまって、納得のいかない描き方になった範囲が広がり、全体にぼやけた絵にしてしまっていた
最後の日の自画像は、どうしても「自分」の絵に仕上げたかった
「目」がそのままに描けなければ、他がどこまで描けても、「今の私」を描けたことにならない
最後の数十分はとにかく「目」を掘り出す作業になった
ちょうど時間切れとなり
そこで手を止められるところまでは仕上げられた
Kristin「Wow, These eyes are living.」と声をかけてくれる
Marion「Wow, What is she saying?」と尋ねてくる
何を言っているか、ね
「She’s Glad to be here. And She’s looking forward to something is going to happen next.」
つたない英語で言えるのはその程度だった
前日から、言葉にしきれないものをグループの他の人たちからももらっている
Kristinに報告するMarionの言葉が聞こえる
「Listen! She said, She’s looking at the future!」
なるほど、そういうことになるのか
新鮮
Kristinはこのワークショップの早いうちから「一番苦労したところが、いちばん力を持って、人を魅了する」と言っていた
別れ際も「How’s the process?」と、描く過程でどんな経験をしていたか尋ねてくれる
焦る必要はないということ
自分が納得するものを得るには、急ぐ必要は無く、自分にとって欠かせないものにその時しっかり集中し、コミットできればいいんだということ
そういう体験があった
それを聴きながら彼女はしっかり頷いていてくれた
私の中で何が起きていたか分かってくれているようだった
ベタな言いようになるが「自画像を描く」という作業は、文字通り今の自分と向き合うことになる
ある人は、自分の目を描けない
ある人は、自分の年齢を描けない
ある人は、自分の怒りを描けない
ある人は、自分の悲しみを描けない
ある人は、自分の弱さを描けない
ある人は、自分の喜びを描けない
そのまま、目の前の鏡の中の自分をひたすらただ見ていくと
そこにあるものはただそのままに現われる
ただそのまま、見たままに描くということには、そういう難しさと同時に、余計なものを卸せる楽さ、気持ちよさもある
この感覚かあ
おもしろい
Happy Birthday to you.
Happy Birthday.
夜、ゴスペル練習に行った後、一日を完走して帰ったところに母から電話
「お約束」の一本だったのだが、完走ついでにそのまま感じたことを言って久しぶりに彼女を泣かせてしまった
「お母さん、あなたの娘はいま、色んな人たちと出会って、こんな風にしあわせなんですよ」という話をしたのだが、それが母の脛の傷を掠めていたんだろう
たたた、あたた
まあいいや、ほんとのことだ
こちらは喉のつまりが溶け出して、少し言葉が出やすくなっていたし、母も受け取れるだけのところまで来ている頃なんだと思う
この日、朝から何人もの友人たちが、祝いのメールを届けてくれた
ありがたい
今の自分がそういうことでも掘り出される
5日は朝から夕方にかけて他の参加者の横顔を描いた
人を描くのは10代の頃、何年もしていたことなので、そう苦ではなく楽しめた
モデルになってくれた薬師丸ひろ子似のシャイな20代女性も、「目がおっきいね」と少しずつ彼女の「さま」をフィードバックしながら描いていくと、頬を赤らめながら見られることを嬉しさに変え始めた
彼女自身も他の人を見ながら描くことに熱中して、その面白さにどんどんはまっていく様子が、横顔の変化になって伝わってきた
瞳はどんどんモデルにひきつけられ、楽しそうに少し開いていた唇が、描くプロセスが進むにしたがって、キュッと結ばれてくる
ぽわんとしたかわいらしさが、少し締まった少年風になっていく
そういう人の変化を見られるのは楽しい
6日
自分の顔を描くのは、人の顔を描くほど簡単ではなかった
自分の顔の方が楽に描けるという人もいるらしいが、私は予想以上に難航
前日と違って部屋は暗幕をつけ、灯りを落とし、それぞれ仕切りの中で小さなライトを顔の片側からあて、顔の陰影を引き出して描いていく
薄暗いところで細かい作業をするのはもともと苦手で、集中しきれず少し苛立ちもする
教えてくれているKristinやMarion、Andyは、途中経過を見てくれていて「Beautiful!」とコメントあるも、ぜんぜん納得いかない
行き詰る
目の位置と形がどうしても正確に取りきれない
だんだん鏡の中の自分の表情も疲れ、硬くなる
Kristinが昨日描いた女の子の横顔を見せ「髪の方を先に描いたら?楽しいかも」
コントラストを強く出せるようにと、濃い目のグラウンドに挑戦したからやりにくいのかな、と言うと「目だけ仕上げて、薄いグラウンドでもう一枚描き直してもいい。自分の描きやすい方法で描くのがいい。」と言ってくれる
迷うが、今の低エネルギー状態でそこまでの集中力は残っていないと思い、そのまま続ける
Kristinが前日の絵を見せてくれてよかったのは
「ああ、あの子を見ていた時みたいに、愛でながら鏡の中の自分を見て、描いていけばいいのか」
そういうシフトが起こったから
鏡の中の自分の表情が変わっていった
3月の最後の日に描いた「部屋の一角」の絵を描く過程が、大きく後悔の種だった
欲張りすぎていたから
頭の中の構想と、かけられるエネルギー+時間制限のバランスが取れず、集中しきれない範囲まで手を出してしまって、納得のいかない描き方になった範囲が広がり、全体にぼやけた絵にしてしまっていた
最後の日の自画像は、どうしても「自分」の絵に仕上げたかった
「目」がそのままに描けなければ、他がどこまで描けても、「今の私」を描けたことにならない
最後の数十分はとにかく「目」を掘り出す作業になった
ちょうど時間切れとなり
そこで手を止められるところまでは仕上げられた
Kristin「Wow, These eyes are living.」と声をかけてくれる
Marion「Wow, What is she saying?」と尋ねてくる
何を言っているか、ね
「She’s Glad to be here. And She’s looking forward to something is going to happen next.」
つたない英語で言えるのはその程度だった
前日から、言葉にしきれないものをグループの他の人たちからももらっている
Kristinに報告するMarionの言葉が聞こえる
「Listen! She said, She’s looking at the future!」
なるほど、そういうことになるのか
新鮮
Kristinはこのワークショップの早いうちから「一番苦労したところが、いちばん力を持って、人を魅了する」と言っていた
別れ際も「How’s the process?」と、描く過程でどんな経験をしていたか尋ねてくれる
焦る必要はないということ
自分が納得するものを得るには、急ぐ必要は無く、自分にとって欠かせないものにその時しっかり集中し、コミットできればいいんだということ
そういう体験があった
それを聴きながら彼女はしっかり頷いていてくれた
私の中で何が起きていたか分かってくれているようだった
ベタな言いようになるが「自画像を描く」という作業は、文字通り今の自分と向き合うことになる
ある人は、自分の目を描けない
ある人は、自分の年齢を描けない
ある人は、自分の怒りを描けない
ある人は、自分の悲しみを描けない
ある人は、自分の弱さを描けない
ある人は、自分の喜びを描けない
そのまま、目の前の鏡の中の自分をひたすらただ見ていくと
そこにあるものはただそのままに現われる
ただそのまま、見たままに描くということには、そういう難しさと同時に、余計なものを卸せる楽さ、気持ちよさもある
この感覚かあ
おもしろい
Happy Birthday to you.
Happy Birthday.
夜、ゴスペル練習に行った後、一日を完走して帰ったところに母から電話
「お約束」の一本だったのだが、完走ついでにそのまま感じたことを言って久しぶりに彼女を泣かせてしまった
「お母さん、あなたの娘はいま、色んな人たちと出会って、こんな風にしあわせなんですよ」という話をしたのだが、それが母の脛の傷を掠めていたんだろう
たたた、あたた
まあいいや、ほんとのことだ
こちらは喉のつまりが溶け出して、少し言葉が出やすくなっていたし、母も受け取れるだけのところまで来ている頃なんだと思う
この日、朝から何人もの友人たちが、祝いのメールを届けてくれた
ありがたい
今の自分がそういうことでも掘り出される
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