9月末に、できあがったパスポートを受け取り、5日ほど海外へ出かける準備に手をつけはじめる。
10月に入り、大学時代からの友人とみなとみらい辺りでゆっくりと会う。
美味しいランチを食べ、楽しい小物を買い、臨港公園の海っぺりでゆったり波と風の音を聴きながら、いまの自分の内を話しつくす。
文字通り話しつくし、その流れを、お互いのこの18年の内にそのまま理解してもらえる関係が有難い。
冷えてきた海風と別れて、またクイーンズイーストの喫茶店で暖かいものを飲む。
この数ヶ月ずっとどこへ出かける気にもならなかった腰が自然にあげられ、「いってらっしゃい」と言ってもらえるのがうれしかった。
月の半ばに出かける前にと、役所の手続きをし、話をきいておきたかった叔母や叔父たちに会い、久しぶりに会えた年の近い従兄弟たちとも懐かしく話しをした。
17日からの出先はフィリピンのビサヤ諸島の辺りで、セブ島、レイテ島、カモテス諸島といったあたり。
少し前までの自分では、とても行けなかったところだ。
夏ごろから、「戦争と罪責」や水木しげるさんの著書などを読み、身内に昔の話を聞くうちに、祖母の弟が戦死したのがマニラだったことが分かってきた。
現在の東南アジア遺骨収拾の現状が、戦後63年してなお、惨憺たるものであることも知った。
この数ヶ月、他の何も自分の中にひっかかってくるものはなかったのだが、これだけは浮かんできた。
行けるうちに、行っておかなければ。
「送られてきたのは骨壷の中に石ころ一個」と小さい頃から私に話し、かなり呆けていた晩年にも、ふと正気の顔をして「お参りに行けなった」と言っていた祖母は、私という人間の在りようを、おそらくもっとも理解していた人だった。
今日会った長女である叔母が、母方家族の古い”昭和”の写真を数々見せてくれた。
その中の大叔父の出兵時の写真と家族との写真を見せてくれた。
大叔父の妹さんと、電話で話すことができ、60数年前の気持ちを、その時のそのままに聞かせてくれた。声を震わせる受話器の向こうの大叔母の言葉に、じーっと頭を下げた。
今回はマニラには行けないけれど、少しでも近くに行って、大叔父と同じ頃、同じ戦地に赴き、同様の状況で亡くなっていった人たちにお会いしてくるね。
大叔母は、「もう何十年も、兄さんのことを聞いてくれる人はいなかった。聞いてくれてありがとう。」と、一生懸命当時のことを話してくれた。
叔母が、「あなたが持っていて。この後持っていてくれる人は誰もいないんだから。」と大叔父の出兵時の写真を預けてくれた。
出発前にできれば「レイテ戦記」を読了しておきたくて、分厚い3巻と格闘。
10月に入り、大学時代からの友人とみなとみらい辺りでゆっくりと会う。
美味しいランチを食べ、楽しい小物を買い、臨港公園の海っぺりでゆったり波と風の音を聴きながら、いまの自分の内を話しつくす。
文字通り話しつくし、その流れを、お互いのこの18年の内にそのまま理解してもらえる関係が有難い。
冷えてきた海風と別れて、またクイーンズイーストの喫茶店で暖かいものを飲む。
この数ヶ月ずっとどこへ出かける気にもならなかった腰が自然にあげられ、「いってらっしゃい」と言ってもらえるのがうれしかった。
月の半ばに出かける前にと、役所の手続きをし、話をきいておきたかった叔母や叔父たちに会い、久しぶりに会えた年の近い従兄弟たちとも懐かしく話しをした。
17日からの出先はフィリピンのビサヤ諸島の辺りで、セブ島、レイテ島、カモテス諸島といったあたり。
少し前までの自分では、とても行けなかったところだ。
夏ごろから、「戦争と罪責」や水木しげるさんの著書などを読み、身内に昔の話を聞くうちに、祖母の弟が戦死したのがマニラだったことが分かってきた。
現在の東南アジア遺骨収拾の現状が、戦後63年してなお、惨憺たるものであることも知った。
この数ヶ月、他の何も自分の中にひっかかってくるものはなかったのだが、これだけは浮かんできた。
行けるうちに、行っておかなければ。
「送られてきたのは骨壷の中に石ころ一個」と小さい頃から私に話し、かなり呆けていた晩年にも、ふと正気の顔をして「お参りに行けなった」と言っていた祖母は、私という人間の在りようを、おそらくもっとも理解していた人だった。
今日会った長女である叔母が、母方家族の古い”昭和”の写真を数々見せてくれた。
その中の大叔父の出兵時の写真と家族との写真を見せてくれた。
大叔父の妹さんと、電話で話すことができ、60数年前の気持ちを、その時のそのままに聞かせてくれた。声を震わせる受話器の向こうの大叔母の言葉に、じーっと頭を下げた。
今回はマニラには行けないけれど、少しでも近くに行って、大叔父と同じ頃、同じ戦地に赴き、同様の状況で亡くなっていった人たちにお会いしてくるね。
大叔母は、「もう何十年も、兄さんのことを聞いてくれる人はいなかった。聞いてくれてありがとう。」と、一生懸命当時のことを話してくれた。
叔母が、「あなたが持っていて。この後持っていてくれる人は誰もいないんだから。」と大叔父の出兵時の写真を預けてくれた。
出発前にできれば「レイテ戦記」を読了しておきたくて、分厚い3巻と格闘。
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