「何の人」?

2008年11月4日 日常
10月、ビサヤ諸島への遠出から2週間
渡航を支えてくれた人たちに会ってお礼や報告をしたり、同行した方々にお礼をしたり、感想を書き送ったりといったやりとりがあったりするなか、目の前のことを片付けながらぱたぱたと過ごしていた。

月末には、随分助けられた元同僚から突然、彼女らしくなく落ち込んだ声でヘルプ電話が入った。彼女の職種からすると、現場のお客さんたちに直接関われなくなる部署への異動は応えるだろう。理事会も相当窮している様子。
元同僚は、状況と自分の欲求との折り合いをつけた選択と決断、行動のできる人だ。
だいじょうぶ。

11月に入り、最初の週末は勉強会
時間に限りのある修士論文に四苦八苦している学生さんたちの苦労をよそに、ちょっと外側から感じたことをあまり遠慮せずに言える場所。
勉強会のメイン・コーディネーターの教授は、物事の核心をめったなことでははずさない人で、目の前のごたごたに振り回されることもなく、私が感じたり、言わんとしていることも、私が言葉にしている以上に感得してくれているようなところがある。
「言葉」というものの威力を深く知りつつも、言葉だけで物事がなんとかなるとは決して思ってはいないんだろう。彼の居ずまい、存在感で場を守ってるようなところがある人。

3日、文化の日
神保町の古書まつりに、フィリピン、ミンダナオのティボリ族女性たちの手による手織物を日本でも売れるように製品化してフェアトレードをしている友人が出店すると言っていたので、顔を見がてら会いに行く。
春のすずらんまつりの倍にはなろうかという人出のなか、友人を探しだすのに少々手間取ったが、最後の1時間ほどをお店を手伝いながら一緒に過ごす。

お客さんにパンフレットを渡したり説明したりしていると、突然30代くらいのかわいい女性から声をかけられた。
春ごろ先輩の手伝いをしに行ったワークショップで会っているとのこと。
彼女も古書まつりに出店していたのだと、繊細でやさしい色使いの絵で作ったかわいらしい絵葉書を手渡してくれた。
彼女の記憶力の良さに関心しつつ、連絡先を交換する。
偶然彼女もゴスペルをやっているとのこと。
ライヴ情報も交換し合う。

友人とは、淡路町に近いインド料理屋で彼女の年上の友人とも一緒に夕食。
今のこの国の制度やら常識には、あまりとらわれない、あるいは懸命に抗って闘っている女性たちの話を聞きながら、だいぶ幼子な気分になる。
自分のいる領域でだって知らないことはたくさんあるのに、別世界には更に未知のことがたくさん。

「護る人」「守る人」「闘う人」「拒む人」「怒れる人」「漂う人」「待つ人」「進む人」「篭る人」「開く人」「拓く人」「従う人」「歩く人」「走る人」「哀しむ人」「見つめる人」「聴く人」「語る人」「支える人」「支えられる人」「手放す人」「集める人」「楽しむ人」「怖れる人」「慈しむ人」「育む人」「殺す人」「生かす人」
在りようはさまざま。
私は「何の人」をしてきて、いま「何の人」なんだか。

今日
ちょっと体調を心配していた人からメールが入る。
大丈夫と言いつつあまり大丈夫ではなかったような、やさしい事後報告な言葉に、なんだか返ってへそが曲がり、「ぷんすか」なレスをする。
自分も同じようなことを古くからの友人に何度か言われたことがあったが、その心を今になって少しだけ了解。


 

 
 
 


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