指の修理

2010年10月20日 日常
洪水があって

私も友だちもご近所さんも先輩ものっぽなテーブルにつかまりながら水の中

水に浮かびながら、私が"指の修理"をしていないので
「しょうがないな」という顔で先輩は私の手のメンテを始める
私の指はアーティチョークかささ身か何かのように筋ばって、螺旋状の繊維になってぴりぴりとはがれ、裂けた繊維の長い紐になっていく

白い肉のような、野菜の青い繊維のような色が混ざり合った長い繊維になった"指"を、先輩はまたくるくるときれいに元の指の形に巻きなおしていく

巻きなおされた指は白くて、この夏の暑さで焼けた手の甲とくっきり色を隔ててまるで生え直したみたい

洪水の中で、避難場所かどこかへみんなが移動し始めるなか
うまいこと"修理"された"指"を動かし、かざし見て感心していると
半身前から振り向く先輩の顔は「"指"はちゃんと自分でメンテしとかないとダメだよ」と言いたげ

目が覚めても"メンテ"されたての指の感触があんまりリアルで
「でも、アーティチョークとささ身のあいのこみたいに指をひっぺがすなんて本人じゃないからできるんじゃん」と思う

 
 


 

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